第2章 星の種

アシュタールのセッション内容は、参加者たちのエネルギーによって決まる。

その日集まった8名は、半分以上が初参加ということもあり、初心者向けのアシュタールの自己紹介から始まった。

 

初めにアシュタールが言った。

「これから私がお話しする事は、おとぎ話か何かだと思って聞いてください。」

 

アシュタールは現在11次元にいる肉体を持たない光の存在であり、人間の身体を持っていた頃は、金星人だった。

 宇宙船の司令官であることから、アシュタール・コマンダーと呼ばれている。


地球に文明が生まれるはるか昔、金星にも人類が住んでいた。

しかし環境破壊が進み、人間が住めなくなったため、アシュタールは多くの人々とともに、宇宙船で金星を脱出する事にした。


それからアシュタールは、地球の起源について語り始めた。
蒼く美しい惑星である地球を、アシュタールは「魂の遊び場」と呼んでいた。

 

アシュタールによると、魂が進化のために肉体を持って転生する場所として地球は存在している。

3次元の肉体を持って生まれてくることのできる地球は、宇宙の中でも稀な、とても貴重な経験ができる場所だと言う。

けれど、そんな地球は今、地球の人間の手によって、かつての金星と同じように、環境破壊が進んでいる。

 

はるか昔にアシュタールは、今の地球の状況を予知していた。
そして宇宙中を旅し、たくさんの精鋭を集めた。

彼らはアシュタールに、地球を助けるための行動をすると同意し、地球にやってきた。


そして、3次元のルールに従い、彼らは自分のルーツを忘れて、地球人類として転生を繰り返しているが、地球が滅亡の危機に直面した時、使命に目覚めることになっていた。

 

その精鋭たちを、アシュタールは、「スターシード」と呼んだ。アシュタールが精鋭たちに再び会い、使命を思い出させることによって、彼らは目覚めるのだと言った。


アシュタールは、その作業を「点火」と呼んでいた。

 

本当におとぎ話のような話だった。
にわかには、信じがたい話だ。

 

けれど、その話を聞いているうちに、なぜか心が揺さぶられるような激しい感情が湧いてきて、涙が溢れそうになっている自分に気づいた。


なぜ自分が泣きそうになっているのか、全く理解できなかった。

 

真向かいに座った女性も、同じように涙を浮かべていた。
それは、すぐに嗚咽に変わった。

 

アシュタールは、その女性をやさしく気遣って、

「どうぞ、使ってください。」

と、傍らにあったティッシュを差し出した。

すると、女性の泣き顔が笑顔に変わった。

 

そして場が和んで静かになった時、おもむろに、アシュタールが言った。


「今日ここに集まった全員が、私のスターシードです。

あなた方は、これからの地球の行く末を、よりよくするために生まれてきました。」

胸の奥の方から感情が、また込み上げてきた。


ここに至るまでの、すべての思いが繋がったような気がした。

 

するとアシュタールが、私のほうを向いて言った。

 

「あなたは心の中で、こう尋ねたでしょう? 
私、本当にアシュタールに会ったことある?
もちろん、あります。

私が、安泰な星で平和に暮らしていたあなたを、宇宙船に乗せ、地球に連れて来ました。」


アシュタールは、また私の心を読んで、穏やかに言った。

 

「でもまだあなたは、本当に?と思っていますね。

それは、仕方のないことです。

あなたがたのように、3次元の肉体を持っていると、意識がヴェールで包まれた状態だからです。」

 

それからアシュタールは、私の使命について、こう告げた。

 

「あなたは、プレアデスから来ました。あなたはヒーラーです。あなたは、愛です。」

 

私が、ヒーラー⁉︎


その言葉を受け取った瞬間、私の中で何かがはじけたような感覚があり、涙が溢れて止まらなくなった。


今まで何のために生きているのか分からず、何をやってもずっと中途半端だった自分。

 

何か大切な事を忘れている様な感覚。

 

その年、東日本大震災が起き、多くの人が被災して苦境に立たされているのを見て、自分にも何かできないかという思いから、レイキアチューンメントを受けた。

 

けれど、人を癒すことが自分の生まれてきた理由だと思うなんて、おこがましいと思っていた。

 

こんな自分が?
スターシード?

 

「あなたは、生命力に溢れています。明るく人を照らします。その温かい手で、人々を癒すことがあなたの使命です。祝福します。」

 

そう言いながら、アシュタールは胸の前で、静かに手を合わせた。

 
アシュタールが私に語りかけている間、私はずっと涙を流していた。

 

全く記憶がないにも関わらず、アシュタールの言葉がデタラメだと思えない何かがあった。


魂が覚えている、そんな感覚だった。