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第15章 守護天使


アシュタールのセッションの時間が迫っていた。
本来なら、こんな時に行くべきではないのかも知れなかった。

 

けれど、彼が望んでいるような気がして、私はその事を、彼の母親に伝えた。

そして時間をもらって、セッションに行く事にした。

 


少し遅れて到着した私を、テリーさんは快く迎えてくれた。

 

「私も夫を亡くしているので、あなたの痛みがよく分かります。」

そう言って、私の手を握った。

 

そして、
「アシュタールに会いたいですか?」
と訊ねた。

私は、「はい」と答えた。

 

テリーさんが、目を閉じ、ゆっくりとした呼吸を始めた。

 


「私の小さき者よ。美しい喜びを、あなたに与えます。」
アシュタールがやって来て、いつものように挨拶をした。

「美しい愛と成長の時です。

あなたのハートが宇宙の光に届く時です。

愛の光。

あなたを、エンジェルが存在する場所に引き上げてゆく光。

美しい光です。」

 

アシュタールは、少し間を置いてから、
「彼の魂は、私とともにホームに帰りました」
と言った。

 

その時、ガシャンと大きな音がして、六角堂の中の電気が点いた。

 

アシュタールは、フッフと笑った。
「これは、彼の仕業です。彼は、(私はここにいるよ)という、合図を送ってくれました。」


彼も来ている。
涙が溢れた。

 

「彼は、あなたとともに、ここに来てくれました。どうぞ、使ってください。」

アシュタールが、ティッシュの箱を私に差し出した。私は、ティッシュを取り、涙を拭いた。


「今日はまだ、あなたの声を聞いていません。」

アシュタールは、幼子を慰めるように言った。

 

「素晴らしい事ではないですか?

彼は今、幸せなんです。

彼はもう、苦しむ必要がなくなりました。

素晴らしい事だと思いませんか?

 

あなたの素晴らしい彼が、あなたに愛していると伝えてくださいと、私に言いました。

 

彼はあなたと私のそばにいて、全てを体験しています。彼はあなたと、ここにいられる事に感謝しています。

 

彼は、あなたとともにいる、と伝えています。今日、本当は彼もここに来たいと思っていました。そして、今あなたとここにいられることが出来ています。

 

彼は電気を点けて、あなたに自分の存在を証明してくれました。

 

そしてまた、あなたを愛していると伝えてきました。


彼はただ、別の場所に移動しただけです。

 

体から魂が抜けて、別の場所に移動する時、特に病気を持っていた場合、それをともに体験をした人は、とても近くにいる事になります。

 

病気の体から抜けていく。それは、その人にとって、とても重要な事になります。

 

自由になるのです。

とても素晴らしい事です。

彼は、あなたとともに歩んでゆきます。

彼は、それをあなたに伝えています。

 

彼はあなたに、自分がどれほどあなたを想っているのか知ってほしいと思っています。

 

彼は、あなたとともにいると言い続けています。」


アシュタールは、私が手に持っていたディバインクウォーツを指して尋ねた。

「これは、彼のですか?」

私は頷いた。

 

「あなたが彼の石を持っているという事は、彼にとって、とても重要な事です。」

 

それからアシュタールは、首から下げていた私の石と見比べて言った。

「あなたの石とよく似ています。

それは、あなた方2人が、常に近くにいるという事です。とても素晴らしい事です。そしてそれは、あなたにとっても美しい時間です。


宇宙は、彼がホームに戻ってきた事を、非常に喜んでいます。

 

でも、人間の感覚では、それは苦しい事です。ハートが痛めつけられる感じです。

あなたが、その痛みに気づくという事は、とても重要です。

そして、もう一つ重要なのは、そこで足を止めるのではなく、その痛みを持ちながら前に進むという事です。

 

あなたは、彼がいなくて寂しくなるでしょう。彼の事を想って悲しむでしょう。

 

でも、あなたは同時に気づくはずです。

素晴らしい記憶があるという事を。

 

そして、彼があなたとともにいるという事に気がつくでしょう。


あなたはまだ、若い。そして、これからとても素晴らしい人生を歩んでゆけるのです。

 

あなたが力強く自分の人生を生きてゆく事。あなたが自身の中に平和を見つける事が重要になってきます。

なぜなら、彼があなたに、そうしてほしいと願っているからです。

 

彼は、あなたがどれほど美しいかを、私に伝えてきます。

まるで美しい海風のようだと伝えてきます。

 

彼はあなたを愛しています。彼にとってあなたが最も大事だという事です。

 

なぜかというと、彼はあなたに永遠に続く愛を誓ったからです。

 

そして、彼はその約束を守ります。素晴らしい事です。理解出来ていますか?」

 
彼について聞きたい事がないかと聞かれ、私は、アシュタールに、彼が生まれてきた理由を訊ねた。


彼が以前、自分が何のために生きてるのか分からないと言っていたのを思い出したからだった。

「彼は、この世界により良い教師となるために生まれてきました。彼は教師です。彼は愛について教えていました。

 

癌というのは、彼が選んだレッスンのうちの一つです。

彼は、癌になる事によって、どうすれば強くいられるのか、どうやって自分の中の強さを保つのかという事を、あなたや、まわりにいる人たちに教えていました。

彼は、偉大な教師でした。

彼は多くの事を教えてくれました。

彼は多くの人に愛について教えてくれました。

宇宙の真実を教えてくれました。

彼はそのために生まれてきました。

そして変容を体験するために。

彼はその事について、あなたと話したはずです。

そして彼はあなたに愛を教えました。愛の情熱です。彼はそれを教えるために来ました。


あなたがた2人が最初にここに来た時、彼はちょうど診断を受けた頃だと思います。

そして、その後、素晴らしい時間を過ごしたはずです。奇跡を祈っていたはずです。

 

彼は、この世を離れる事が出来ないという事が分かったと思います。

彼は、離れるつもりもありません。

彼は、別の世界であなたを見守っています。

これは、とても重要な事です。

分かりますか?

彼はあなたにとって、守護天使のようなものです。」

 

私は、手の中の彼の石を見つめた。

ああ、だから彼の石は、天使の羽根という名前なんだ。

ハルミさんのセッションの時に現れた、金色の羽根を持ったミッキーの姿を思い出した。

 

「彼は、笑っています。

私の事を愛していてねと彼は言っていますし、あなたがそうする事も、彼は分かっています。」

 

涙がまた溢れてくる。


「彼は大丈夫ですよ。

天使が降りてきて、彼を連れて行きました。

あなたは、彼の魂が上がってゆくのを感じたはずです。

それは、素晴らしい事です。

そういう体験が出来る人は、そう多くはいません。とてもパワフルな経験です。

実際に私たちの肉体に魂があるという事を、経験出来た訳です。

美しい教えです。常に素晴らしい教えとなっています。

喜びや悲しみ、痛み、そして幸せの中に、その中に、すべての経験が詰まっています。美しい経験です。


彼はあなたのまわりにいます。

彼を感じてみてください。

いろんなサインを読み取ってください。

それがすべて、私はここにいるよというサインになります。

彼の事を想って、その石を手にする。

何か不思議な事が起こる。

それは、彼の仕業です。

そして、彼はあなたに話しかけています。

分かりますか?

あなたは大丈夫になるはずです。その事は、覚えておいてください。」


そしてアシュタールは、静かに手を合わせました。

「愛をあなたに届けます。ギフトと喜びを。

今日、彼は私とともにいて、彼は安全です。私は強調します。彼は、とてもよくやっています。

そして、あなたに感謝します。あなたの強さに感謝します。あなたがいつも、やっているように。あなたの愛の中で。あなたに祝福を。アンダンテ。」